平成23年度事業計画について




T.事業方針

1.基本方針

 K−RIPは、平成11年の設立時から情報提供やネットワーク形成事業を中心として、産学官連携の促進を図り、会員のビジネス拡大や共同研究開発に一定の成果を上げてきた。
 平成13年度から平成21年度まで、経済産業省の産業クラスター政策に基づく産業クラスター計画(全国19計画)で支援を受け、第1期のネットワークの形成・拡大から、第2期は、事業化及び販路拡大等の目に見える成功事例の創出へとシフトしてきた。
 産業クラスター計画による予算支援は平成21年度で終了したが、産業クラスター政策そのものは継続され、平成22年度は地域が有する多様な強みや特長、潜在力等を積極的に活用し、産学官等の様々な主体のネットワークを形成することにより新たな成長産業群の創出・育成を目的とした新成長産業創出促進事業の採択を受け、環境・エネルギー産業における「ネットワーク強化」及び「アジア展開支援」を推進した。
 平成23度も引き続き地域新成長産業創出促進事業で次の2事業の採択を受けており、「環境・エネルギー産業ネットワーク強化事業(以下、ネットワーク強化事業)」では、中小企業の経営資源の補完・連携によるソリューションの提供に向けた地域産学官ネットワークの強化を図り、「環境・エネルギー産業アジア展開支援事業(以下、アジア展開支援事業)」では、国内他地域との広域連携等によるアジア展開等を図ることにより、九州地域の環境・エネルギー産業のソリューション能力を高め、海外に進出する企業を増加させ、海外との取引拡大等を通じ、九州地域の経済活性化及び競争力強化を目指す。
 また、東日本大震災の復興に向けた取組についても、K−RIPに蓄積された環境・エネルギー分野の技術・ノウハウをもって、関係機関等と連携のもと、積極的に支援していく。

2.具体的方針

 平成23年度は、地域新成長産業創出促進事業の採択を受けた上記2事業を主体に実施していくこととする。
 「ネットワーク強化事業」では、これまでの公害防止技術及びリサイクル分野に加え、近年、レアメタル及びレアアースのリサイクルシステムの構築や、再生可能エネルギーの普及促進、温室効果ガス排出量の削減といった新たな国内外のニーズに対応するため、広域ネットワークの基盤整備、広域産学官連携の促進、広域プロジェクト創出の促進、実践型企業連携の構築及び新商品の開発実証支援の各事業を実施していく。
 「アジア展開支援事業」では、環境・エネルギー関連企業のアジア展開を支援するべく、首尾一貫したサポートを行う「アジア展開コーディネーター」の設置、企業の体制整備を支援するべく国際人材(留学生等)との交流を目的とした「国際ネットワーク交流会」及び「海外展開専門家派遣事業」実施、地域企業の海外案件組成に向けた「マッチング事業(ミッション派遣事業等)」、進出先が抱える環境課題への具体的ソリューション提供を目的とした「ソリューション型企業連合体の海外現地調査、現地実証支援事業」を行う。
 上記2事業を事業活動の核として、海外との交流を支援するジェトロRIT事業や、特許庁の予算を活用したセミナー等事業も行う。
 また、K−RIP単独事業である「K−RIPプロジェクト」、「九州環境ビジネス大賞」、毎月第1水曜日に定例開催している「エコ塾」も、引き続き実施予定である。

U.個別事業計画

1.コーディネーターの配置 (予算総額21,840千円)

 K−RIPの各事業を効果的・効率的に進めるため、国内コーディネーター1名、アジア展開コーディネーター2名、計3名を配置し、それぞれ月15日程度活動する。
@ 国内コーディネーター(ネットワーク強化事業) 予算額6,900千円
 環境・エネルギー技術及びビジネスに精通したコーディネーターを配置し、地域内及び他地域のクラスター等との広域のネットワーク連携を図りつつ、事業目標の達成に向けた企業の新事業創出支援及び産学官マッチングのコーディネート並びに事業の企画・立案・実施を行う。
A アジア展開コーディネーター(アジア展開支援事業) 予算額14,940千円
 地域中小企業のアジア地域への事業展開を支援するべく、環境ビジネスおよびアジアビジネスに精通したコーディネーター2名を配置し、具体的には、日本企業の海外展開のニーズ(輸出入、共同研究、現地子会社設立等)の把握、中国・韓国等の海外企業の交流ニーズを把握し、双方のニーズを満たす企業どうしのマッチングをコーディネートし、ビジネス案件の創出を図る。

2.情報・交流部会 (予算総額5,370千円)参加者負担額(1,580千円)

@ 情報の発信及び収集 予算額1,910千円
 環境展示会、セミナー等の機会を通じて情報発信・収集を行うとともに、ホームページを情報発信及び交流の場と位置付け、コーディネーターの支援ツールとしての活用を図る。
○販路開拓支援事業における展示会出展等の機会を通じてのネットワーク活動の紹介
○情報誌の発行(年3回)
○情報発信及び交流の場として、環境・エネルギー産業関係者にとって魅力あるホームページの作成
○ネットワーク会員の最新情報のホームページ掲載
A 九州環境クラスター大学(環境ビジネス研究会) 予算額1,860千円、参加者負担1,050千円
 環境・エネルギー分野の人的ネットワークの構築と新事業創出に向け、最先端の事例や法規制の動向等に関する講義や、グループで新しいビジネスモデルの検討を行う研究会を開催する。
○時期:9月7日(水)〜9日(金)
○場所:佐賀県唐津市
○参加予定人数:30名程度
B 環境ビジネス交流会 予算額340千円
 (社)九州経済連合会と連携し、九州地域における環境・エネルギー分野に関連する大手企業が一堂に会する機会を活用して中小企業の有する技術を紹介することにより、大手企業と中小企業のビジネスマッチングを図る。
○時期:11月下旬
○場所:福岡市内(予定)
○参加予定人数:100名程度
C 環境イノベーションフォーラム 予算額640千円、参加者負担90千円
 九州環境事務所、EPO九州、(社)九州経済連合会及び九州農政局と連携し、九州南部にポテンシャルを有する一次産業に焦点を当て、環境・エネルギー関連中小企業の有する技術と一次産業関係者のビジネスマッチングの創出を図る。
○時期:1月下旬
○場所:宮崎県内(予定)
○参加予定人数:100名程度
D レアメタル等リサイクルセミナー(新規事業) 予算額40千円(他に特許庁予算を活用)
 効果的なリサイクルシステムを構築していくことが喫緊の課題となっているレアメタル及びレアアースについて、地域における統合的なモデル構築を促進するため、先進的な技術開発や先駆的事業の情報を提供することにより、九州地域の関連事業者や自治体等に対して効果的な情報発信を行い、産学官連携の機会創出を図る。
○時期:12〜2月中旬
○場所:福岡市内(予定)
○参加予定人数:50名程度
E 環境エネルギー研究会(新規事業) 予算額490千円
 再生可能エネルギーの普及促進や温室効果ガス排出量の削減など、国内における新たなニーズの課題解決に向けて、先進的な技術開発や先駆的事業の情報を提供することにより、低炭素(新エネルギー・省エネルギー)分野の関連技術を有する企業のネットワークへの参画を促進するとともに、関連企業の相互理解を深め、ビジネスに繋がる企業群の構築を図る取組を進めていくための研究会を開催する。
○時期:7月から開始し、3回程度開催
○場所:福岡市内(予定)
○参加予定人数:第1、2回 各10名程度
        第3回 100名程度(セミナー)
F エコ塾 予算額90千円、参加者負担440千円
 環境関連製品や技術等ユーザー等の需要サイドに対し、供給サイドからプレゼンテーションを行い、環境ビジネスに関心を持つ産業界、学界、行政、市民、学生等の幅広い交流の場として毎月1回開催し、そのうち環境・エネルギー関連中小企業等の有する技術を直接見聞する機会を提供する企業視察バスツアー(8月を予定)及び環境・エネルギー産業振興に積極的に取り組む自治体と連携した拡大エコ塾(2月を予定)を各1回ずつ開催する。
○時期:毎月第1水曜日 2社のプレゼンテーション
○場所:福岡合同庁舎会議室、地下食堂等
○参加予定人数:毎回60名程度

3.ビジネス創出部会 (予算総額8,880千円)

@ K―RIPプロジェクト 予算額 3,500千円【K-RIP会費事業】
 K−RIP会員の産学官連携による研究開発や事業化に向けたF/S調査等のスタートアッププロジェクトに対して一部資金の助成や専門家によるアドバイス等の支援を行い、「環境ビジネスの育成・振興」や「環境・リサイクル分野における新事業創出」の一層の推進を図る。
A 販路開拓プロジェクト 予算額2,430千円
 中小企業が開発したまだ知名度の低い環境製品・サービス等を提案公募形式で選定し、当該製品の販路拡大をトータルで支援することにより、当該製品・サービス等の販路拡大に資するとともに、中小企業の環境配慮製品の販路開拓に対する課題や対応策をモデル化してネットワークに蓄積することにより、他の中小企業の販路拡大に資する。
○時期:販路開拓支援会議 8月初旬
    展示会 エコテクノ2011出展 10月中旬
    エコプロダクツ2011出展 12月中旬
○場所:販路開拓支援会議 福岡市内
    展示会 エコテクノ2011 北九州市
    エコプロダクツ2011 東京都
○支援予定社数:3社程度
B 専門家派遣事業 予算額450千円
 経営資源の不足などを要因として伸び悩んでいる企業に対して、技術開発から経営相談まで様々な相談に対応する専門家を派遣し、指導することによって企業のステップアップを支援する。
○時期:公募により適宜
○場所:原則として対象企業を訪問
○派遣予定回数:10回程度
C 新商品の開発実証支援(新規事業) 予算額2,000千円
 国内における環境・エネルギー分野のニーズに対応するため、サブクラスター研究会等での課題研究を踏まえ、先進的な新商品(試作品)の開発及び実証を行うこととし、これに要する費用の一部を支出することによって、先導的・試行的な取組を支援する。
 なお、本事業の実施によってその性能を評価された新商品については、販路開拓支援事業や専門家派遣事業、各種ビジネスマッチング事業等を活用し、総合的な支援を行っていく。
○時期:テーマ選定 8月
    開発・実証 9月〜2月
○場所:未定
○開発・実証予定件数:1件程度
D 九州環境ビジネス大賞 予算額 500千円【K−RIP会費事業】
 会員企業等が販路拡大を希望する環境配慮製品やサービス等を提案公募形式で募集し、その環境価値について審査を経て表彰を行うことにより、当該商品に信用力を付与することで販路拡大の一助とするとともに、K-RIP自身のブランドイメージの向上を図る。なお、今年度は、エコテクノ開催時に表彰式を開催する方向で検討中。
 九州環境ビジネス大賞1件他、優秀賞2〜3件、奨励賞などを付与する予定。
○公募時期:6月〜8月(予定)
○審査会:平成22年9月中旬(予定)

○表彰式:エコテクノ2011会場(予定)

4.国際ビジネス部会 (予算総額12,071千円)参加者負担額6,100千円

@ 海外クラスター連携型地域競争力強化の方策検討(新規事業) 予算額70千円
 海外の環境クラスターと九州の環境クラスターとの国際連携による地域競争力強化・アジア展開支援強化を模索するべく、ジェトロ等と連携しながら、連携先候補の洗い出し、連携方策の検討等を行い、地域競争力強化に向けた提案を行う。
A 中国環境ビジネスセミナー 予算額280千円(他に特許庁予算を活用)
 中国ビジネスにおける種々のリスクを踏まえ、ビジネスリスクのマネジメントや知財戦略の普及啓発を目的として中国環境ビジネスセミナー(仮称)等を年2回程度開催する。
B 国際ネットワーク交流会 予算額70千円
 経営資源が乏しい環境関連企業が海外展開するにあたって、当面の経営課題は現地の商慣行や言語の壁である。これを突破するべく、在日留学生や進出先の海外市場に精通した人材を新規採用し、海外での販路拡大を成功させている企業がある。
 このように、日本企業への就業を希望している国際的な人材と地域の環境関連中小企業とのマッチングを行い、地域企業の海外販路拡大を支援する。
○時期:6〜7月頃
○参加企業:20社程度
○留学生数:50人程度
C 海外展開専門家派遣(新規事業) 予算額240千円
 海外展開支援の専門家自らが相談者の工場等に赴き、製品や製造プロセス、サービス等の具体的な中身を実際に確認・診断した上できめ細かな海外事業展開の提案をする。
○時期:4月中に海外展開支援の専門家のリストアップ
D「エコテクノ2011」等における九州・中国・韓国 環境ビジネスマッチング 予算額1,900千円
 毎年10月に北九州市で開催される大規模環境見本市「エコテクノ2011」等に併せて来日する中国企業、韓国企業等と、日本企業との環境ビジネスマッチングを開催する。
 本事業は、K−RIPだけでなく、自治体や各種経済団体と連携しながら、国内他地域の環境関連企業にも参加して、大規模に開催する予定である。
○時期:10月12〜14日のうち1日
○場所:西日本総合展示場
○参加企業:九州管内・管外の企業
E 中国遼寧省・山東省、韓国等への環境ビジネスミッション派遣 予算額2,000千円参加者負担6,000千円(他にジェトロRIT事業を活用)
 アジア地域での市場開拓については、進出先の行政機関や産業団体との人脈作りや、現地企業の取組状況の把握や意見交換、商談会等が重要である。
 このため、進出先として有望な地域への環境ビジネスミッション団を派遣する。
○中国遼寧省・山東省、韓国等へ環境ビジネスミッション団を派遣(8〜2月)
F サブクラスター研究会(新規事業) 予算額3,000千円
 水質浄化、資源リサイクルといった分野別の中小企業が集い、コーディネーター等専門的知見を有する専門家が国内外の様々な環境・エネルギー分野において収集するニーズについて調査・分析を行うとともに、そのニーズへの対応を研究する実践型の研究会及び分野別の分科会等を開催することにより、単独では対応できないニーズに複数の企業が連携して対応するソリューション型企業連合体の構築を図る。
○時期:7月から2月まで計4回程度開催
○場所:福岡市内
○参加予定人数:延べ160名程度
G ソリューション型企業連合体の海外現地調査(新規事業)予算額511千円、参加者負担100千円
 日本企業がアジアビジネスを展開する際に、価格面・機能面等で現地ニーズを満たしていない製品等を提案してしまい、ビジネスチャンスを逃している事例も少なくない。このため、海外の環境ニーズを収集し、ニーズの詳細と適切なソリューションの提案について、K−RIP会員企業等で議論し、複数の企業が連携してソリューションを提案する「ソリューション型企業連合体」の構築を行う。そして、当該連合体を現地に派遣し、具体的なソリューションを提案するための現地調査を行う。
○環境ビジネスミッション派遣事業に併せて実施。
H ソリューション型企業連合体による現地実証支援(新規事業) 予算額4,000千円
 ソリューション型企業連合体で中国等において実証事業を行うプロジェクトを選定。そして、企業連合体組成メンバーによる海外市場向けの試作機の開発や、試作機による現地実証事業の委託を行う。
○実施時期:6〜2月
○支援件数:2件(予定)

5.その他

@ 総会・役員会 予算額1,750千円【K-RIP会費事業】
 役員会・総会において、前年度の事業及び決算の審議、当該年度の事業計画及び予算について審議し、決議する。
 また、会員に対する情報提供と会員相互の交流の深化を図るために、総会後に基調講演会及び懇親会を開催する。
○時期:平成23年6月7日(火)
○場所:ハイアット・リージェンシー・福岡 2F「リージェンシーボールルーム」
○基調講演 テーマ:『中小企業の海外水ビジネスの展開について』
講 師:(株)ナガオカ 代表取締役社長 三村 等 氏
A 部会・運営会議・戦略会議等 予算額 600千円【K-RIP会費事業】
 「情報・交流部会」「ビジネス創出部会」「国際ビジネス部会」の3つの部会を年間2回程度開催し、今年度事業実績の経過報告や次年度事業計画の検討、公募事業の審査会などを行うと共に、総会前に各部会の正副部会長と運営会議議長による運営会議を開催する。
 また、運営会議の下部組織として、短期的、中・長期的な観点からK−RIP事業の企画立案や組織運営体制の見直し等について事務局をフォローするK−RIP戦略会議を開催する。

6.外部機関との連携

@ 拠点組織等との連携
 K−RIPのコーディネート活動を補完するため、九州各地のローカル拠点組織との交流を深め、環境・エネルギー関連展示会等における一体的な出展や、それぞれの地域で開催されるシンポジウム等の事業において、K−RIP及び他の拠点参画企業等からのプレゼンテーション等を実施するなど、地域間連携の強化によるK−RIP全体のネットワーク拡大・深化を促進し、新事業の創出に繋げる。
○成長産業・発展対策支援事業(平成23年度〜)実施産業支援機関
・(財)長崎県産業振興財団
・一般社団法人 熊本県工業連合会
・(財)宮崎県産業支援財団
・(財)かごしま産業支援センター
○広域的新事業支援連携等事業(〜平成21年度)実施産業支援機関等
・(財)北九州産業学術推進機構
・(財)長崎県産業振興財団
・(財)宮崎県産業支援財団
・(株)みなまた環境テクノセンター
・奄美市(※当時の実施機関は(財)奄美市農業研究センター)
A アジア低炭素化センターとの連携
 北九州市が環境技術や社会技術のアジア地域への移転を通じて、企業の成長をサポートし、地域の活性化を図ることを目的として開設した「アジア低炭素化センター」との連携を図る。
 同センターは、環境ビジネスのアジア展開とアジアの環境改善に貢献するという目的をK−RIPと共有しており、両団体が連携することにより、企業のアジア展開のより一層の支援強化につながることから、昨年度、業務提携の調印を行い、共同で海外への環境ビジネスミッションを実施するなどしており、今年度も同様に連携を図っていく。
B その他の機関との連携
○(独)産業技術総合研究所
○(独)日本貿易振興機構(ジェトロ)
○(独)中小企業基盤整備機構
○(社)九州経済連合会
○(社)九州ニュービジネス協議会
○福岡県リサイクル総合研究センター
○全国産業廃棄物連合会九州地域協議会
○EPO九州
○その他九州管内の各大学等